ビタミンD
ビタミンCに負けず劣らず、ビタミンDもマルチタレント! ビタミン界のスーパースターです。
ビタミンDは太陽のビタミン(Sunshine vitamin)とも呼ばれていて、その名の通り、太陽光線により皮膚で生合成されるビタミンです。さらに肝臓で25(OH)ビタミD3に変換され、必要に応じて腎臓で代謝され活性型 1,25(OH)2ビタミンD3 となります。
ビタミンDは・・・
- 骨代謝の維持はもちろん
- がん、心血管疾患、糖尿病、神経変性疾患、精神疾患、感染症、ディスバイオシス(腸漏れ症候群)など、いろんな病気の予防に重要な役割を果たします。
- ビタミンDの受容体はほとんどの臓器に存在しています。たとえばリンパ球や貪食細胞などの免疫細胞に活性型ビタミンD受容体があることからも、ビタミンDには、免疫の強化や調節作用があると考えられています。
- 膵臓にも活性型ビタミンD受容体があり、1型糖尿病や2型糖尿病の発症を予防するのではないかとも言われています。
- また血管に活性型ビタミンD受容体が存在することよりビタミンDが血圧調節にも関与する可能性が示唆されています。
- 脳にも活性型ビタミンD受容体があり、認知症の予防を示唆する研究もあるようです。
- さらに、活性化型ビタミンDには 悪性腫瘍の増殖抑制作用が認められており、大腸細胞、前立腺細胞、乳腺細胞などでは局所的にビタミンDを活性化できその局所的作用によりこれらの細胞の癌化予防が期待できるという仮説があります。
ですが…、みなさんに伝えなければいけないことは、
ちなみに体内のビタミンDの9割は、紫外線(UVB)により皮膚で産生されるため、屋外で日光に当たる時間が減少しがちなライフスタイルでは(サングラス、日傘、外出を避ける、日焼け止めを塗る、厚化粧?)、ビタミンDが低下しやすい。そのため、魚やキノコ類の摂取量が海外に比べて多い日本人であっても、成人の9割以上がビタミンD不足/欠乏である…と以前から言われていましたが…、 今年の4月(2024年4月)に、国立国際医療研究センターの研究チームが、とどめの一発となるような衝撃的な発表をしました。
その概要は、2023年の6月、医療従事者(平均年齢38歳)を対象にビタミンDの血中濃度を測定、 その結果、90.8%の人がビタミンD不足かビタミンD欠乏(44.9%の人がビタミンD不足、45.9%の人がビタミンD欠乏、欠乏は不足よりも重症)、つまり、健康意識の高い現役の医療従事者でも9割もの人がビタミンDが足りていないという、まさに衝撃的な発表だったのです。
(Clinical Nutrition ESPEN Volume 60, April 2024, Pages 210-216)
…血中濃度、40-50ng/mL以上は欲しいところですが、この図をみるとみなさんほぼ全滅ですね! 上記結果から類推すると、一般の人たち、特に高齢者、インドア派の人たち、北国に住んでいる人たちは、90%どころか、ほぼみなさんビタミンD不足だと考えられます。
ビタミンDの生成量は日照時間と相関しますので、血中濃度は当然のことながら秋口から冬場にかけて低下していきます。つまり秋口くらいからビタミンD低下の対策を施す必要があるということです。
言うまでもありませんが、ビタミンDの9割が紫外線により皮膚で生成されます。そしてほんの1割が食事由来のビタミンDなんです。この事実を踏まえれば、少々、キノコや魚の摂取量を増やしてもあまり意味がないことは誰でもわかるかと思います。
ただし、ビタミンDの血中濃度は、簡単に血液検査で測定することができます(開業医レベルでも測定が可能です)。自身の測定値に応じて、そして季節に応じて、ビタミンDの摂取量を調整しておけば、どんな環境下でもビタミンD不足/欠乏になることはありませんね。
ビタミンDのまとめ
- ビタミンD
- 世界中のほぼ全員不足している
- 1日1-3粒を目安に摂り続ける
・・・ということになると思います。
このビタミンDに関しても、それなら『マルチビタミン・ミネラル』にもっと多く配合しておけばいいじゃやないか?との質問もあるでしょうが、これも技術的にそう簡単じゃないんです。またビタミンDのニーズには個人差があるので、季節や自身のライフスタイル、そして血中濃度に応じて調整するのが現実的だと考えています。
「それに『ビタミンD』もまた格安なので…」(岡本医師の独り言です)
このレクチャーを機会にみなさんの理解が深まったなら、嬉しいです。みなさんの周りの人にも教えてあげてください。ぜひ健康度を高め、病気を予防し、老化を抑えていきましょう

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