マルチビタミン・ミネラル (2)

マルチビタミン・ミネラル

ばらばらにのんでも、短期間のんでも意味がない?!

誤解というか、よくある質問というか…
「どのビタミンを補ったらいいですか?」あるいは「どのミネラルを補ったらいいですか?」
その返答は…「ぜんぶですよ」…これが論理的な回答です。

というのは、ほとんどの日本人は(僕も例外ではありませんでした…)、ほぼすべての栄養素が不足しています(…日本人だけでなく先進国の人たちも…)。ただ、不足≠欠乏ですので、不足していても直ちに病気(欠乏症)になってしまうわけではありません。ただ、不足が続くと、いずれは病気になってしまうか、健康寿命が短くなるか、老化が早く進むか、あまり得することはありません。

この不足を解消するためにベースサプリをのむわけですが、もちろん、まんべんなく栄養素を補ってこそ意味があるんです。病気の予防にはベースサプリは不可欠です! …ここはしっかりおさえておきたいポイントですね。

岡本医師
岡本医師

以下もよくご覧になって、わからないところがあれば、
10/25(金)の質問会で気軽に訊いてくださいね。

エネルギー代謝

私たちの身体は、化学反応(代謝といいます)によって生命が維持されています。その代謝の“基本のき”は、エネルギーを生み出す化学反応です(これをエネルギー代謝といいます)。つまり機械で云えば動力源ですね。動力(エネルギー)がなければ、私たちは生きてはいけません。健康を保ち病気を予防するためにも健全なエネルギー代謝はMUSTです。

そのエネルギー代謝の概要を図(テキスト『栄養保険』の18ページ)に示しますが、見ておわかりのように、すべてのビタミンB群が代謝にかかわっています。つまりビタミンB1だけとかビタミンB2だけを摂ってもあまり意味がないということです。

※テキスト『栄養保険』…このテキストはeクリニックのメンバーサイトに載せてありますので、ぜひダウンロードして熟読してください、かなり賢くなること請け合いです!(笑)

抗動脈硬化

また、栄養保険の目的の1つには、慢性疾患の諸悪の根源である動脈硬化を抑える…つまり、ホモシステインという物質を速やかに分解してしまう必要がありますが、そのためにはビタミンB6、B12、葉酸、この3つのビタミンが不可欠です(テキスト『栄養保険』の19ページ)。この図をみるとよくわかると思います。

抗酸化

さらに、体内の酸化(老化の大きな加速要因ですね)を可能な限り抑えるのも栄養保険をかける1つの大きな目的ですが、それにはビタミンCとビタミンEとの協働が必要です(テキスト『栄養保険』の20ページ)。つまりビタミンCだけをいくら大量に摂っても、ビタミンEが不足していれば、不活性なビタミンCだけが溜まるだけですし、ビタミンEだけを大量に摂っても酸化されたビタミンEだけが溜まって代謝(化学反応)のじゃまになってしまいます。

骨粗鬆症予防

骨粗鬆症を防ぐためにもベースサプリがMUSTです。骨粗鬆症は老化、寝たきりを加速し、健康寿命を有意に短くしてしまいます。その骨粗鬆症を予防(治療も含めて)するには、カルシウムだけでは意味がありません、もちろんビタミンDも不可欠です。でも、この2つの栄養素だけでは足りません。 今、わかっているだけでも、あと、ビタミンK、ビタミンC、マグネシウム、亜鉛、リン(過剰なので補う必要はありません)、そしてビタミン・ミネラルではありませんがプロテイン(特に植物性)が不可欠です(『カラーアトラス栄養学』381ページ)。

また、ほとんどの必須ミネラルは代謝を駆動する酵素のサポーター(補酵素)として働いていますので、1種類のミネラルを補ったところで、体内全体の代謝を円滑にするには不十分です(テキスト『栄養保険』の23ページ)。

繰り返しになりますが、健康寿命を延伸する、寝たきりを防ぐ、認知症を防ぐ、老化を遅くする…などの目的でベースサプリメントを摂るなら、微量栄養素(ビタミン・ミネラル)は、まんべんなく(バランスよく)すべてを摂取することによってはじめて意味がある…ということです。
また、微量栄養素の不足を解消し続けるために摂るものなので、長期にわたり摂取しないと意味がありません(食と同じとらえかたです)。 したがって、「どれを補えばいいのか?」の答えは、「ぜんぶ!」そして「ずっと!」になるんです…理屈ですね。

今回のレクチャーのまとめ

WHAT
  • マルチビタミン・ミネラル
WHY
  • 協働で効果を発揮する
  • 長期摂取しても安全である
HOW
  • 1日6-12粒を目安に摂り続ける 

・・・ということになると思います。

このレクチャーを機会にみなさんの理解が深まったなら、嬉しいです。みなさんの周りの人にも教えてあげてください。ぜひ健康度を高め、病気を予防し、老化を抑えていきましょう。

岡本医師
岡本医師

質問があれば遠慮なく! 
10/25(金)にも質問会を開催します。

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